8月16日(火)

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バイトも4日目になり、徐々に作業に慣れつつある。新しいことを始めるときは、分からないことばかりで無駄に緊張したり、考えすぎて不安になったりしてしまうけど、慣れてしまえばなんてことはない。分からないことがあったら教えてもらえばいいし、機嫌が悪い人がいれば「機嫌が悪い人がいるなぁ」とだけ思っていればいい。たまに身体を動かすのも悪くないし、他人と話すときも無理に自分を作ったりする必要はないのだ。どうしても嫌になったら休めばいい。自分が悩んでいることなんて、実際に手を動かしてみれば、拍子抜けするくらい些細なことだったりするもんだ。やりたいようにやればいい。やりたいようにやっていこう。

と。さっきからなぜか急にポジティブになっているけれど、一応それには理由がある。職場の人となんとなくお喋りしてみたら、意外にも「考え方が似ている」ことが分かってきたのだ。世間体とか常識とか、何か一つの価値観に染まりきった人と話をするのはとても消耗するけど、色々な考え方を認める余裕のある人とならいくらでも話しようがある。いやいやびっくり。働くからにはもっと「普通」のフリをしてなきゃいけないのかと思ってたけど、なんかそのまんまでも大丈夫そうだなぁ。ていうか、案外みんなそのまんまでやってるし、自分の方が勝手に「こうしなきゃ」って思ってたのかもしれない。昨日、ビルの屋上でパーティーみたいなのがあって、それにほとんどの人が参加してたらしいんだけど、いやほんと無理に参加しなくて良かった。行きたかったら行く。行きたくなかったら行かない。昨日のおれは行きたくなかったから行かなかった。それだけのことだ。

うまいものを食べたときも「うまいっすね!!」なんて無理に言わなくていい。粛々と「うまいなぁ…」とだけ思っていよう。「あのお客さん可愛いね!」と言われても「うわほんとだ!まじで可愛いっすね!!」なんて言わなくていい。「そういう風に見えるんだなぁ…」とだけ思っていよう。夜空に花火が上がっていようが、近くに有名なレストランがあろうが、どうでもいいと思っているなら、どうでもいいじゃないか。色んな人がいる。おれはおれ。他人は他人。

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夜10時。疲労とともにまたいつものネガティブ思考が戻ってきた。人の輪に入れなすぎてつらい。ていうか、同質性の高い集団がつらい。いつもそうなんだけど、集団になった人間と何を話したらいいのかわからない。というわけで今日は関連性のありそうなこの記事を読んでから寝ようと思う。

否定形で語られる「男らしさ」から、「男らしくない男らしさ」の探求へ/杉田俊介×西森路代【1】 - messy|メッシー

後半は自分の観てない映画の話ばかりでよくわからなかったんだけど、たぶん、自分の問題意識とかなり近い内容だと思う。メッシー良い記事多いよなぁ。

私は、哲学者の森岡正博さんとか、AV監督の二村ヒトシさんとか、男性学の田中俊之さんとか、美術作家の柴田英里さんとかの著作や発言に共感を覚えることが多いのだけど、どうやら自分は《「男らしさ」を求められるとつらくなるタイプの男》らしい。一応、性的対象は女だし、性自認も男なんだけど、所謂「男らしさ」には違和感を感じることが多い。おれは男だけど、男らしい男ではない。そういう風になりたくもない。

そういえば子どもの頃から『遊戯王』だの『モンスターハンター』だの『三国無双』だの、典型的な「男子」がハマっている遊びにはいつもなんとなく乗れなかった。未だにそれが続いているような感じがある。男だけになったときにする「〇〇ちゃん可愛い」的な話についていけないし、飲み会とかで盛り上がれる神経もわからない。「どうだおれすごいだろう」と言わんばかりの自己紹介には、愛想笑いすら上手くできない。でもこれは「男らしい」に限らない話かもなぁ。そういえば「女らしく」しようとしている女の人もどちらかといえば苦手だし、これはなんなんだろうなぁ。

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たまに女の子数人で「この服かわいい〜」「え〜〇〇ちゃんの方がかわいい〜」みたいな《お互いの可愛さの確かめ合い》をやっているのを見かけると、これが男だったらどういう状況なのかな、と考える。男が数人集まって「お前スゴいな」「いやお前の方こそ」みたいな話をしている。なんか、ジムでお互いの筋肉を褒め合っているマッチョな男たちみたいだなぁ。と、よく思う。同性だけで集まると「男/女らしさ」の不毛な競争が起こりやすいのかもしれない(もちろん「かわいい」には色んな意味があるから一概には言えないんだけど)。

女子女子した女子は男子男子した男子と雰囲気が似ている。そういうのどうでもいいなぁと思ってしまう側からすると、どちらも近寄りがたい。女子女子した女子と男子男子した男子の巣窟である、飲み会とかパーティーみたいなイベントは、とくに近寄りがたくて困る。どうでもいいと思うことには「どうでもいいなぁ」と素直に口に出せるような空間に、私はいたい。人によって大切にしていることは違うから、本当はお互いの考え方をじっくり確かめられる時間が持てたらいいんだけど、きっとみんな忙しいから、結局は似た者同士で集まっちゃうんだろうなぁ。眠いので今日は寝ます。おやすみなさい。

《つづく》