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8月22日(月)

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とくに疲れたというわけでなくても、毎日たっぷり10時間は寝てしまう。これは「自分で変えられない性質」なんだろうか、それとも「自分で変えられる性質」なんだろうか。前者だとしたら、たぶん私は日本でまともに社会参加する道は諦めた方がいいだろうし、後者だとしたら、生まれたこの国でまだまともにやっていく可能性が残されている。決まった時間に寝て、決まった時間に起きる。こんな単純なことが、どうしてまともにできないんだろう。

私の場合、「やりたいこと」とか「就きたい仕事」とかを考える前に、まず「自分は世の中に適応できるのか」ということから考えなければならない。「他人の顔色を伺う」とか「(自分の気持ちを無視して)社会で役に立つことを身に付ける」とか、そういうことに耐えきれなくなって数年経ち、精神を病まない代わりに、私はすっかり世の中との距離ができてしまった。当たり前だけど、世の中は相変わらず「他人の顔を伺う」とか「役に立つことを身に付ける」とか、そういう論理で回っている。当たり前だ。当たり前なんだけど、でも、今の私の目にはとても新鮮な景色となって映る。

実は、私は、他の人が思っている以上に自分のことをまともだと思っている。と、思う。「将来どうなりたいの?」「趣味は?」「あなたは何者なの?」「どうやって食ってるの?」「仕事は?」「普段どんなことしてるの?」「好きなことは?」「やりたいことは?」これらの問いにいつも戸惑ったり、上手く答えられなかったりする自分は、まともだと思う。私は今までずっと何も考えてこなかったわけではないし、そもそもそんなことを聞かれても、自分の中で何も言葉が浮かんでこないのだから、仕方ない。思ってないことは話すことができない。最近よく思う。思ってないことを話していないだけなのだから、私は何も間違っていない。

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自分の気持ちがどこにあるのか。それだけを自分で把握してさえいれば、もう十分なのではないか。自分の気持ちを無視して行動するなんて、今更もう、私にはありえない。したいことがあれば、しよう。何もしたくなれば、何もしないでいよう。それだけだ。私はものぐさだから「何かしたい」と思うこと自体かなり少ないんだけど、「したい」と思ったときに「したい」と思ったことができるのは、幸せなことだと思う。もちろん、何もしたくないと思ったときに何もしないでいるのも、最高に幸せなことだ。自分の気持ちがどのように変わっていくのか、ということさえ掴んでいれば、後はそれをうまいこと誰かに伝えたり、行動で示せるようになればいい。私が自分にウソをついていなければ、相手にもきっと伝わってくれると思う。そう考えれば、生きるのはそんなに難しいことじゃないかもしれない、と思えてくる。

他の人を見てていつも本当に驚くのだが、なぜか皆、そんなに悩んでないように見える。「どこそこのラーメンがめちゃめちゃうまい!」「誰々ちゃんがめちゃめちゃカワイイ!」単純だ。素晴らしいと思う。しかし、だからと言って私が彼らと同じようになる必要はない。たぶん私は、頭の中で「これは本当に自分の気持ちなのか…」と、色々自問自答しているうちに、せっかく感じた自分の気持ちを自分で分解してしまっているんだと思う。それはそれで別にいいのだが、でも所詮、クーラーの効いた部屋の中にいる脳ミソで考えたことだ。「したい」と思ったことにすぐ飛びつく人たちは、たぶん、行動するうちに環境も変わり、どんどん新しい気持ちが湧いてくるだろう。「本当はこんなはずじゃなかった」とか「やっぱりやって良かった」とか。それもそれでいいことだ。私が頭の中で自分の「したい!」という気持ちの純度を見極めているうちに、彼らは多少曖昧なままでも「したい!」という衝動のまま行動し、行動の中で自分の気持ちを確かめている。どっちがいいとかいう問題ではない。でも、私は少しだけ彼らを見習いたいと思う。

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というわけで私は、このヒビ割れたiPhoneをさっさと修理すべく、今、お金が欲しい。そしてパソコンが重くて運びづらいので、薄くて軽い、しかもバッテリーが長く保つパソコンが欲しい。別になかったらなくていい。でもこれは一般的な水準で言ったら「欲しい」と言っていいレベルなんだと思う、たぶん。ていうかiPhoneじゃなくて本当はSIMフリーの安いやつにしたいけど、やり方とかがわからない!ググろう!!

あと、NHKの『世界ふれあい街歩き』みたいな感じで、石造りの旧市街を片手でなにか旨そうなものを食べながら、ぶらぶらあてもなく歩きたい!そして、適当なバルに入って、粋なおじさんたちの会話に聞き耳を立てていたい!チャンスがあったら話にも混ざりたいから、英語も話せるようになりたい!それから狭い路地を通って、洗濯を干しているおばさんに「良い1日を!」って挨拶して、花壇がきれいに飾ってある運河沿いの道を、緩やかな風に吹かれて歩きたい!そして「ウワァ…でっかいなぁ…」って言いながら古い大聖堂に入って、日差しで輝く巨大なステンドグラスを見上げて、神聖な気分に浸りたい!宿泊先に戻る前に、夕陽に染まった空の美しさに気付いて、太陽が沈んでいく地中海の海を見下ろしながら、小高い丘の上で軽くお酒をいただきたい!最高だ!全体的に映画の『ビフォアサンライズ』的な!ウワァ!おれヨーロッパ行きたい!!

あれ??ていうかおれ、東京に来てからまだ「したい」と思ってたこと一つもしてなくない??東浩紀の『ゲンロンカフェ』行ってみたいんじゃなかったっけ。中島義道の『無用塾』行ってみたいんじゃなかったっけ。宮台真司とか二村ヒトシとかのトークショー行ってみたいんじゃなかったっけ。や、でもお金ないんだそういえば。ウワァ…お金。せっかく東京にいるんだから、地方だとメディア越しにしか見れない著名人が、実際だとどんな雰囲気なのかっていことは、一度くらいしっかり確かめてみたいよなぁ。あとなんかデッカい図書館とか、デッカい本屋とか、古い古本屋とか、いや、待て、またなんかこういうの考えだすとしっちゃかめっちゃかになるから、とりあえず明日どうするかってことだけ決めとこう。とりあえず今度『ほぼ日』で塾を開くみたいだから応募するだけ応募したい。いやはや。もう列挙しただけでミーハーな感じがすごいけども。でももうこれはしょうがない。そんなもんだ、おれは。おやすみなさい。やばいもう2時!

《つづく》