9月2日(金)

身体がだるくて、さんざん寝たはずなのに、相変わらず眠くてたまらない。おはようございます。用があって、二駅ほど離れたホームセンターまで来たんだけど、気が付けば1時間以上マッサージチェアの上に腰掛けているおれです。ビタミンが足りないのか、ミネラルが足りないのか。睡眠障害なのか、運動不足なのか。まじで眠すぎて働くどころじゃないぞ。くそう。

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また少し休んだあと、1メートル×0.9メートルの板を買った。自分のベッド(ドミトリー)の上に自作の荷物置き場を作るのが、昨日から入居したシェアハウスの慣わしらしく、今も、不足していた木材を買いに、ホームセンターまでやって来たのだ。2300円くらいした。意外と高い。つらい。

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さらにつらいことに、ここから家まで徒歩で板を運ぶことになった。距離にしておよそ4㎞。道中、何度も心が折れそうになりながら、板を運ぶ。

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通りすぎていく人たちは思わず板に目をやる。しかし、一年前にヒッチハイクを経験したことのある私にとって、この程度の視線は屁でもない。成長を実感する。

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一度座るとなかなか立てない。つぶしたカラのペットボトルを手と板の間に挟みながら持つと、あまり手が痛くならないことを発見した。いいぞ。

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道沿いに、居心地の良い木のベンチを見つけた。茂みから虫の音が聴こえる。疲れから、尻がベンチに吸い付いて離れない。向かいにはバーミヤンがあった。

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バーミヤン、好きだ。子どもの頃に食べた、バーミヤンのラーメンが忘れられない。甘酸っぱい料理が食べたい。夏バテに負けない力をつけたい。生きたい。

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板は持ちづらい。しかし、歩いて街の雰囲気を感じられたのはいい経験になった。庶民的で親しみの持てる街だ。汗もかいて、眠気もどこかへ吹き飛んだ。

そして、家に着いた。

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歩いている間、「そもそもどうしておれは東京まで来て板を運んでいるんだろう…」と考えていた。店員さんには「運搬用に自動車を無料で貸し出すことができますよ」と言われたけど、「すいません、免許は持ってるんですけどペーパーなので」と断ってしまった。こういうところだ。自分でわかっている。こういうところをなんとかしなかったら、東京まで来た意味がない。

ホームセンターを出たときの私には、目の前に「チャレンジングだけど早く着く道」と「やり方は分かっているけど時間がかかる道」があった。自動車を貸してもらえば、早く着くし、運転の練習にもなるけど、最悪の場合、死ぬ。歩いて帰れば、時間はかかるし、何の成長もないけど、たぶん死なない。私は後者を選んだ。変化のない、凡庸な、刺激の少ない、最も無難な道を選んだ。まさにおれ。私が、一見自由な生き方をしている風で、実は全然自由じゃない理由がここにある。堅実な生き方ができないからといって、破天荒な生き方ができるわけでもない。どちらにもなれない私は、その狭間を這うようにして生きていくしか、道はないのだ。社会はどの程度おれを受け入れてくれるのか。おれはどの程度社会を受け入れられるのか。これはせめぎ合いだ。がんばって生きよう。

《つづく》