読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

起きた。時刻は9時40分。いつもより早い。それには理由があった。今日は火曜日ということで、一週間のまとめ買いをするために父が祖母の家に迎えに来る。寝起きのぼんやりとした状態の中、父が玄関の扉を開く音が聞こえた。起きようか寝ようか迷っていると、一階から小声でボソボソと「私がまだ寝ている…」というような話をしているのが分かった。ああ、色々なことに限界が来て学校に行けなくなっていった高校三年生の頃も、父や祖母に同じように私のことを影で言われていたな、と思い出し、イヤな気分になった。私の家族には「肝心なことを本人の前で言わない」という、とても良くない性質がある。言わないだけならまだいいけれど、本人に聞こえてしまっていることを勘付いていないという愚劣さがある。私の目の前に現れる姿を見る限りそれほど悪い人たちではないのだが、私が子どもの頃から彼らに全幅の信頼を置くことができなかったのは、彼らが私のいないところで全く違った顔を見せるからだった。私の陰口が部屋から漏れて聞こえるとき、私はあえて彼らが話している部屋の中に入っていった。そうすると彼らは急に口をふさぎ、表情を強張らせ、脈絡のない不自然な言葉を私にかける。その様が痛快でもあり、苦痛でもあった。私に何か言うことがあるのなら、思っていることをそのまま全て私の前で言えばいいじゃないか。鍵を握るのは祖母だ。祖母は根本的には穏やかで優しい人柄なのだが、自分の意見をはっきり言えないところがあり、その場では同調するものの、後になって恨み言を言う節がある。祖母は、私の前では父の批判をするが、父の前では私の批判をする。私は生まれの母親を知らないので、祖母を育ての母親のように思ってきたのだが、しかし祖母は祖母であり、父の母であった。絶対的なものなどどこにもない。静かな怒りが湧いてきた私は、いつもより早く布団を飛び出して一階に向かった。ようやく勘付いた祖母が甲高い声色でわざとらしく「買い物行ってきまーす」と叫ぶ。私は無視して居間に向かった。

今日はパソコンを買おうと思う。

〈更新中〉