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四月

起き抜けにスマホを開いたらいつもよりやけにサクサク動くので、ああ、新しい月になったんだなと思った。一晩たって、少し気分も落ち着いてきた。MacBook Proのことは、もう仕方がないではないか。修理に出すしかない。何万かかるか知らないが、修理して初めて本当に自分のものになるような気もする。そういえばずっと、パソコンを買ってからの日々はどこか浮ついていて、背伸びして「現代で活躍する100人の映像作家たち」みたいな本をブックオフで読み込んで嫉妬の炎に駆られたりするなど異常だった。頭を冷やそう。おれは美大卒じゃないんだから。

 

人間の心の中心には誰でもぽっかり穴が空いている、というAV監督・二村ヒトシさんの話が好きだ。その穴から寂しさとか劣等感とかいろんなネガティブな感情が湧き出てくるんだけど、それが同時に本人の魅力でもあるという。自分が味わったタイプの苦しみしか、誰かの苦しみを受け止めることはできない。あと感情は湧き出すのに任せるしかなく、自分でどうにかできるものではなく、逆にそれを覆い隠そうとすると変な方向に歪んで怒りっぽくなったりとかなんとかあれなんかうまく書けないな。今度読み返そう。とりあえず、私は自分の劣等感をMacBook ProRetinaディスプレイの艶めきで埋め合わせようとしていたところがなかったわけではないような気もするので、修理後、もう一度改めてフラットな気持ちで出会い直したいと思う。布団から出て今日はビックカメラに向かう。

 

ビックカメラにきた。このMacBook Proを買うまでに迷いに迷って先月中旬から1週間くらい毎日ここに通っていたから、なんともいえない懐かしさがある。私にこのパソコンを勧めてくれた店員さんは元気にやっているだろうか。このビックカメラでは、私がMacBookの前であまりにも迷うものだから店員さんとちょっと仲良くなりかけたりして、それなりに楽しい一時を過ごさせてもらった。修理代は身銭をちゃんと切ろう。身銭を切らないでどれだけやれるかみたいなところで勝負してきたような23年間だったけど、もうそういうのはいい加減やめよう。前のパソコンを買ったときは店員さんと話すのが怖くてビクビクしながらよくわからないパソコンを買ったからか、結局うまく使えなかった。でも今回の二代目は違う。思い入れが違う。

 

パソコンを診てもらった。電源を入れても画面が付かないので、ひとまず見積もりに出すことになった。治るだろうか。

そんなことより、今電車に乗りながら文章を書いているんだけど、目の前に座っている人がおそらく中学校の頃の社会の先生のような気がする。あーやっぱりそうだなあ。休日だから新潟まで出掛けてきたんだなあ。いやあ。おれからは絶対に声をかけないし、相手も絶対におれのことは気付かないだろうけど、それがいいですね。腹減ったなあ。