祖父母の家

昨夜、私と父との間に未だかつてないほどはっきりとした断絶があって、私は、もうこれ以上父と同じ屋根の下で一緒に暮らしていくのは本当に不可能なのだということを完全に悟るに至った。全てが不毛だった。あまりにもクソだと思った。

漫画喫茶で一夜を過ごした後、行き場をなくした私は幼少期から高校卒業まで住んでいた祖父母の家を訪ねることにした。しばらくしていると、そこに常日頃から私の現状を心配しているらしい叔母がやって来て、叔母の仕切りで、私と祖母と祖父とを巻き込んだ大規模な家族会議が開かれた。そして、話し合いの結果、次の住処が決まるまでの間、私は祖父母の家に住むことに決まった。私は、自分がどうしたら良いのかわからない。今までの全てを断ち切りたいと思い、やってきていたはずだったのに、またここに戻ってしまった。私は自分の人生をやり直していけるのだろうか。わからない。

眠いからなのか、疲れているからなのか、数日前にショックな出来事があったからなのか、それとも父と断交したからなのか、夕方、気分が沈んで、もうどうしようもないような気持ちになっていた。久しぶりに祖母と祖父と私で夕食を食べた。高校生の頃、父が仕事でいないときなどはこのメンツでよくテーブルを囲んだものだったが、今、こうして三人でご飯を食べるのはもう5、6年ぶりのことだった。祖母が作った天ぷらを食べながら、私はなぜか涙が滲んできて、思わず弱音を吐いた。どうしてなのかわからないけれど、私には自分で働いて自分で金を稼いで自分で生活していくことが、どうしても困難なことのように思える、と。祖母とはいろいろな話をした。久しぶりの祖母は昔と変わらないお茶目な祖母だった。

祖父は、私が今朝話したときには目も合わせず「24にもなって働かないなんて…」から始まる一連の至極もっともな正論を父と同じように浴びせかけてきて、それが自分にはまたとても辛かったのだけれど、最終的には「居るだけだったらいつまで居てもよいだろう」と言ってもらえた。認知症や加齢が進んでいるということもあろうか、以前よりもずっと自信がなさそうで、表情も柔和になっているような気がする。昔だったら考えられないことだ。想像の祖父は怪物のようだったが、現実の祖父となら和やかな話ができた。祖父と笑い合える日が来るとは思わなかった。

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