新潟にて

8時51分。新潟駅

高速バスは7時過ぎ頃に新潟駅南口に到着した。それからすぐ実家のある新発田駅へ向かう予定だったが、そういえば新年だし、べつに先を急いでいるわけでもないので、せっかく新潟駅付近にいるんだったら近くの白山神社へ初詣にでも行って来ようと思って白山駅へ向かう。目的地は白山駅から歩いて五分ほど。神社に着くと、やたらと人でごった返していて萎える。出店まであって少し驚く。客層もなんだか大学生くらいの若い子から20代後半くらいの新米夫婦みたいな人たちが多いような印象で、俺みたいな人間がこんなチャラチャラした場所に来るんじゃなかったと思う。でも一応お参りだけはしておく。儀礼の力は恐ろしいと思う。なぜお前はお参りしたのか論理的に説明してみろ、と、もし誰か訊かれても絶対に答えられない。十円玉を財布から一枚手に取って投げ、二礼二拍手一礼をする。何も願わない。何も祈らない。そもそも、願う、とか、祈る、ということが、私にはどういうことなのか未だによく分からない。周囲の勢いに呑み込まれるように本殿の前でただ頭を下げ、それから足早にその場を去った。

人混みの中、神社の職員のような人たちが、鳥居の下や出入り口付近で「足元に段差がありますのでお気を付けてお通りくださーい!」とひたすら拡声器で絶叫していたのにうんざりする。子供じゃないんだから言われなくても別に分かる。過剰な注意喚起。過剰な親切心。ただ鬱陶しいだけである。というか、そもそも転んだって別に構いやしないだろうが。正月らしく一応初詣には行ってみたが、結局、情緒もへったくれもないのは同じだった。

これだけ言っておいてなんだが、来たついでにおみくじも買った。なんだかんだ言ってもやはり初詣に来たなら買わなきゃならないような気がして、気が付いたら巫女さんバイトの女の子に二百円を支払っていた。中吉だった。特筆すべきことは何も書いてなかったが、とりあえず今年はチャレンジの年になるとのことだ。チャレンジは、していきたい。この日記も今年はもう少し書く頻度を上げていきたいと思う。