流木

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浜辺で靴を脱いで裸足になり、いい感じの流木を枕にして砂に身体を横たわらせていたら、うっかり眠りに落ちてしまった。時刻は午後5時14分。正午頃にこの浜辺に着いたときはまだ日差しが強く、軽く歩いただけで額に汗がにじむほどだったけれど、それも今は少し落ち着いて、長袖のTシャツにセーターを着てちょうどいいくらいの気温になってきた。波も風もおだやかで居心地が良い。夕陽が沈むのを見られそうだから、もうしばらくこの場所にいても良さそうだ。昨日今日と寝不足気味だったから、時間を気にすることなくぐっすりと眠ることができて最高だった。

今日は新潟駅から電車で20分ほどのところにある新潟市西区内野町まで来ている。いつも大変よくお世話になっているK編集長に声をかけて頂いて、内野で新しくお店をオープンされた方への取材の補助として同行させてもらった。もっぱらユーチューブを観るばかりだったおニューのパソコンを久しぶりにビジネスっぽい形で活用できたのは嬉しい。早起きして電車で現地に向かうという経験も「社会人」っぽくてなんだか新鮮だった。ひとしきり小難しい話に花を咲かせた後、批評・思想界隈で先月くらいから話題沸騰中の『ゲンロン0』を拝借したので、帰ったら早速読みたいと思う。

(追記)

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スマホの充電が切れたのでリアルタイムで更新できなかったのだけど、それから水平線に沈む夕陽を見届けて近くにある大学方面まで足を伸ばした。数年前まで通っていたこの大学は、私にとって何も良い思い出がない。この日のようにどこにも行く場所がないときは、一人でよく海へ来て、日が暮れるまでずっと座りこんでいたことを思い出す。少しだけ感傷に浸りながら、部活を終えた学生たちが解散し始めている道を逆向きに歩いて、当時よく通っていた定食屋に向かう。

席に座って注文を取る。唐揚げ定食か肉野菜炒め定食かで迷ったが、もうそうそう来ることはないからと、思い切って両方注文してみることにする。最近はこういう、自分の中で少し負荷の大きい選択肢にあえて踏み込んでみるということを意識的によくするようになった。玄関先の漫画が置かれた棚にスラムダンクを見つけたので久しぶりに読んでみる。花道が、転んだ晴子のスカートからパンツが見えて顔を真っ赤に染めている描写を見かけて、あ、そういえば自分にも女の子のパンツが不意にちらっと見えただけのことで思わず顔を赤らめてしまっていた時代があったなあ、と感慨深く思う。汗ばんだ体に砂が付着して気持ち悪い。電車に乗って帰路に着く。残金は2千円を切った。